カカサスカカーネタ02




君に群がる虫けらを蹴散らせば、
その群集は飛礫となって闇に映えるだろうか。
僕は一体どのくらい、
君の誇りを辿ればいいのだろうか。
其れには果たして先は在るのだろうか。
例え先など望めない、
馬鹿馬鹿しい器であったとしても。

それでも君はいつか行くのだろうか。

僕はまた、
取り残す振りで取り残され、
失わない振りで失い、
傷まない振りで傷み、

気付かないで欲しいと望んで居ることを気付けと望み、
理不尽な想いに神経を廻らせ、
夜毎暗い視界の中を、
何度も何度も交差させては、
叫ばない振りで叫ぶのだろうか。


ね、馬鹿馬鹿しいね。




「・・・何見てるんだ」


「え、何?」


「・・・いや、何でもない」


視線を遠くにやる度、君の表情が胸に突き刺さる。
真っ直ぐで少年らしい誇りと、
傷みを持つ大人の横顔が混じるその眼に、
僕の此処が痛む。

いつも、
ふと言葉を切るその優しさに頼ってしまっているのは、
自分のほうなのだから。
本当は、
眼を逸らしてしまいたい程の眩しさ。
だからこそ、
遠くを見ている振りでしか、
君の視線を測れないでいる。

気付いているだろうか。
きっと、
気付いているよね。

けれどきっとそれさえも、
紙一重で同居するその真っ直ぐさに、
包まれていることの、

不快感と、
安心感も、

また、
紙一重で混在している。

わかりづらい大人に関わったと、
嘆くだろうか。
けれど、
種を明かせばとてもわかりやすいもの。
屈折している振りで、
誤魔化し続けて来た自分にだけわかるものだけど。
それさえも、
許されるような錯覚に陥る、

君の絶対引力は、

凄いね。




僕が汚れきった大人の顔をして見せる度、
君の真剣な眼差しはきつく成り、
その眼光が鋭くなる度この胸は痛むというのに、
その痛みに安堵している自分は、

最低だ。

いつだって、
言い切って居て欲しい。

僕がどんなに馬鹿馬鹿しいことを嘯いたとしても、
その真っ直ぐさで。

危うい程の真実には絶対など無くて、
それは容易く琴切れそうにもなるけれど、

だからこそ、
君に求めるべき願い。

残酷だ。
君だって、
その危うさや不確定さの痛みを嫌というほどは知っていることを、
僕は知っているんだけどね。

僕は卑怯者なんだ。




いつか君がこの手を離れても、
その現実だけで生きて行ける。

そう思わせてくれないか、

此処の真ん中が焼け焦げて、
空洞になってしまうくらいの鋭さでもって、








僕の心の、此処ん処をさ。













別にね。
お前が居なくても平気よ。

いつも通りやってけると思うよ。

だからお前がどんな危険な内容の任務で戦地に赴こうとも悲壮感なんて無いし、
お前もそれを望んでるだろう?

俺ね、
お前が居なくても平気よ。

でも、
お前の中でぽっかり時間が空いた時、
逢いたいと一番初めに思い浮かぶのが俺だったらどんなにいいかと思う。
俺は、
真っ先にお前が思い浮かぶよ。
馬鹿みたいに、
お前に逢いたいと思うよ。

けど、
お前にはお前の世界があって、
沢山背負うものもあって、

きっと、

俺はその中のひとつではあるけれど、
唯一ではない。



それが正常なんだと思うよ。
俺が異常なだけなんだけど。





お前は強いから、
他にも大切なものがその腕に沢山在るから、
俺が居なくなっても平気だろうな。



涙が出るよ。



本当は、

お前も俺と同じであればいいと思っているのに。


お前が居なくなっても平気よ。


真っ先に思い浮かんだり、
逢いたくなったり、

俺がお前に思うように、
俺はお前に思われてないってことが、


お前が居なくなることよりも、




苦しい。








最近強くなったよな。
何たってあのうちはだし、
兄貴はあのイタチだし?

貰いモノのオレとは違って純血の写輪眼継承者で、
降りかかった孤独でさえもお前ならその真っ直ぐさでいつかは強さと優しさに変換していくんだろうし、

でもサスケ、
出来るならオレより強くならないで頂戴よ。

今だってオレには充分過ぎるくらいの威力なのに、
それ以上お前、
カッコよくなっちゃったらどうすんの。





いつまでだって守らせて欲しいけどね、





でも本当は最近たまに、
オレより強くなったお前に守られちゃうような未来もそれはそれでありなのかもね、
なんて思う自分、

相当重症。